一途に想い続けた青春時代

私は小さい頃からとても引っ込み思案でなかなか周りに溶け込めずにいました。
そのくせ、妙に気取ったところがあって、常に距離を置いてしまい、仲間はずれにされることが多々ありました。
その延長のような形で、小学6年生の頃には軽いイジメに遭ってしまいましたが、そのことがきっかけで自分の性格を変えようと決心しました。
ちょうど中学に上がる時だったので、新しい気分で新しい学校生活をスタートさせたのです。
最初は、戸惑いながらでしたが自分から輪の中に入っていくように努力して、次第に友達も増えていきました。
それまでほとんど会話をしなかった女子たちとも接する機会が多くなり、その中でとくに仲が良くなった子に恋をしました。
その子とは驚くほど意気投合し、お互いに笑いあってばかりでした。
学年が上がってクラスが変わっても、廊下ですれ違った時は立ち話をし、帰りに自転車置き場で出会った時は途中まで一緒に帰ったりしていました。
周りからは「付き合ってるんじゃないか」と噂されるほどに仲が良かったのです。
そして、中学3年の夏休みのことでした。
部活の帰りに自転車置き場でばったりと出会ったのです。
蒸し暑い夏の夕方。夕空はいつもより極端に赤く、周囲は印象的な色に染まっていました。
その日は部活が終わる時間が少し遅かったので、私達の他には誰もいませんでした。
「この時しかない」と心に決めて告白をしました。
頭の中では色々シミュレーションしてたはずなのですが、いざその時になると気の利いた言葉は一切出てこず、ただ「好きです」の一言だけでした。
彼女は、しばらく戸惑ったあと「友達のままで」と答えました。
ただかろうじて笑顔だけは作り「ありがとう」とだけ言ってその場を後にしました。
「友達のままで」と言われましたが、その関係を維持するのは難しいものです。
その日を境に、2人の距離は大きく広がってしまいました。
ただ何気ない日常が過ぎ、卒業を迎えて二度と会うことはありませんでした。
今でも、あの夏の日の情景が浮かびますが、それは未練というよりは美しい思い出としてです。
これからも、胸の中に大切にしまっておこうと思います。